コロナ禍よって多くの企業においてクラウド化が進み、インターネットを介してどこからでも仕事ができる業務環境へ急速にシフトしました。
そうした急速な変化に対して、ネットワークの設計がまだ追いていない企業も多いのではないでしょうか。
とりわけ、Microsoft TeamsやZoomをはじめとしたWEB会議の利用急増に伴い、「社内ネットワークの遅延を解消したい」というお問い合わせは増えています。
繋がっていて当たり前、サクサク動いて当たり前、ネットワークにより快適さを求めるようになった昨今、
ネットワークの慢性的な遅延はビジネスの成長を妨げる一因となります。
しかし、ネットワーク環境を増強するとなると、それなりの投資が必要になります。
そこで今回は、ネットワーク遅延の解決策の1つとして、「ローカルブレイクアウト」についてご紹介します。
クラウド(SaaS)利用推進におけるネットワークの課題
企業のよくあるネットワーク構成としては、閉域網に接続し、データセンターをはじめとしたセンター拠点を介してインターネットに接続する構成が一般的です。しかし、この構成のままでは、SaaSの活用が進むにつれて、センター拠点へのトラフィックの集中がボトルネックとなり、ネットワークの遅延につながってしまいます。
ローカルブレイクアウトとは
ローカルブレイクアウトは、各拠点のルーターなどで特定のSaaS向けのトラフィックを識別し、センター拠点を経由せずに直接インターネットからSaaSへ接続させることで、センター拠点へのトラフィック負荷を分散する設計を指します。
ローカルブレイクアウトのデメリット(注意点)
ローカルブレイクアウトの構成を採用する場合、セキュリティポリシーに関して注意が必要です。従来、トラフィックをセンター拠点に集約することで一元的にセキュリティ対策を行うことができていましたが、ローカルブレイクアウトを採用する際は、拠点ごとのセキュリティポリシーの見直しが必要になります。ローカルブレイクアウトの導入だけではなく、エンドポイントセキュリティやID管理の対策等、セキュリティの見直しを合わせてお勧めしております。ローカルブレイクアウトの活用事例
ローカルブレイクアウトの構成は業界を問わず、弊社の多くのお客様に採用いただいています。事例の一部をご紹介します。活用事例①
業界:地方自治体従業員数:約200名
ローカルブレイクアウトの利用方法:
コロナ禍以降、ZoomやGoogle Meet利用が増えたことでインターネットの需要が増大。従来の集約型インターネットゲートウェイでは機器負荷増が発生しており、Zoom、Google Meet通信のローカルブレイクアウトを導入。導入後は既存機器への負荷も減り快適に利用できている。
活用事例②
業界:建築業従業員数:約400名
ローカルブレイクアウトの利用方法:
ネットワークの見直しに伴い、増加するWEB会議のトラフィックの課題を解決するため、ローカルブレイクアウトを採用。センター拠点への負荷軽減することでインターネット環境の強化を実現。