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法人向け光回線の選定時に押さえておきたい7つのポイント


個人や自宅で使うインターネット回線に関する情報はたくさんあるのに、「会社や事業で使う光回線の選定時に参考となる情報が見つからない」という方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、個人向けとの法人向けの違いを解説しつつ、法人向け光回線を選ぶ際のポイントなどもご紹介します。

 

また、最近ではテレワークの定着やクラウドの導入が進んだことで、トラフィック量が急増し、光回線の選定における重要度が高くなっています。ビジネスチャンスを逃してしまうその前に、自社に最適な法人向け光回線の選び方を理解しておきましょう。

個人向けと法人向けの違いは?

個人が自宅で使う光回線やモバイルサービスを選ぶ際は、キャッシュバックや割引を重視して選ぶ方も多いと思います。しかし、オフィスや事業で使う光回線を選ぶ場合、その用途によっては料金よりも重視した方が良いポイントが多くあります。

特に、下記条件のいずれかに当てはまる企業の場合、Web検索で出てくる「法人向け光回線おすすめ○○社比較!」といった記事で“法人向け“とされている回線を安易に選定してしまうと、業務に支障が出てしまうこともあり、注意が必要です。

・従業員が50人以上
・複数拠点でネットワークを組んでいる
・SaaSやクラウドサービスを利用している
・自社のオンラインサービスを提供している

料金で選んでいいの?

料金の安さだけで選ぶことはおすすめしません。

「安さだけを判断材料にして選んだら、回線が遅かった」というのはよくあることです。仕事がスムーズに進まず、従業員の業務効率が低下したり、自社サービスの運営にも影響が出たりしたら、元も子もないですよね。

また、不正アクセスなどのデジタル犯罪に巻き込まれると、自社のみならず取引先も巻き込んで大きな損害を生む可能性もありますので、セキュリティやサポートに注目することも大切です。

選定時のチェックポイントは?

料金を抑えることも大事ですが、セキュリティや通信速度など、法人向けのスペックを備えたサービスであるかなどにも注目しましょう。以下のポイントをチェックしてみてください。

1. 固定IPが付与されるか
2. プロバイダ・回線一体型か
3. 共有型か専有型か
4. 法人向けならではのサービスがあるか
5. 納期は間に合うか
6. 提供エリア内か
7. 設備は枯渇していないか

固定IPが付与されるか

IPアドレスとは、ネットワークに接続された通信機器(PC、サーバ、プリンタ等)を識別するための番号で、よく「ネットワーク上の住所」と例えられます。IPアドレスには固定IPアドレスと動的IPアドレスがあり、法人利用の場合には、拠点間で通信を行う場合やサーバを公開する場合など、固定IPアドレスを必要とする場面が多く存在します。

また、ネットワークへの接続元を限定するようなセキュリティ対策として用いられることもあります。そのため、法人利用の場合には事前に自社の利用状況を確認し、必要な数の固定IPを利用可能なサービスを選定するようにしましょう。

プロバイダ・回線一体型か

広く普及している共有型回線は、多くの場合、プロバイダ(ISP)事業者とアクセス回線事業者が分かれているため、ネットワーク全体を一社で管理することができません。そのため、通信の遅延(輻輳と呼びます)を予測できたとしても設備増強に時間がかかってしまい、必ずしも通信の遅延を防止できるとは限りません。

これに対し、プロバイダ・回線一体型の事業者は、通信量を予測し、必要に応じて迅速に設備増強を行うことが可能なため、通信の遅延を未然に防止することができます。また、プロバイダ・回線一体型サービスであれば、契約や請求を一本化できたり、もしもの障害が発生した場合もワンストップで対応してもらえるというメリットもあります。
 
法人向け光回線の選定時に押さえておきたい7つのポイント
 

共有型か専有型か

インターネット回線は大きく分けて「共有型」と「専有型」の2種類に分類されます。
料金にも違いがありますが、それ以上に品質や得られるメリットに大きな違いがあります。
 

共有型回線

「共有」の名の通り1本の回線を何本にも分岐させることで、近隣の複数企業(ユーザー)が共有で使用しているタイプの回線です。共有で使用しているため安価に利用できるというメリットがありますが、アクセスが多くなり高負荷になると遅延や切断といった問題が起こります。帯域保証型のサービスではなく、ベストエフォートサービスの場合、提供帯域は分岐前の部分を表しているため、1Gbpsと謳っていても共有型の場合は最大32分岐となり、他の利用者の通信状況によって割り当てられる帯域が大きく損なわれることがあります。

共有利用するため、他のユーザーの影響を受けやすい
 

専有型回線

1本のインターネット回線を1社(1ユーザー)で独占して使用できるタイプの回線です。自社しかその回線を使うことがないため、他ユーザーの影響を受けずに安定的に高速な通信環境を確保できるというメリットがあります。ベストエフォートであったとしても、提供帯域全てを自社で利用できるので、共有型の回線に比べて安定した高速な通信が期待できます。

専有利用するため、他のユーザーの影響を受けにくい
 

法人向けならではのサービスがあるか

法人向けの場合、法人向けならではのサービスを受けることもできます。例えば、1社専有型回線である場合、共有型回線のユーザーによる混雑の影響を受けず、速度が安定しやすい傾向にあります。また、もしも急なメンテナンスや障害などでつながらなくなってしまったり、速度が一時的に不安定になったりしても、法人向けサービスであればサービスによっては24時間365日サポートが備わっている等、迅速な対応を受けることも可能です。

納期は間に合うか

ビジネスで利用するインターネット回線は、希望する利用開始日までに開通できるかが非常に重要です。
共有型回線であれば、物理的に元々敷設されている光回線を使用して近隣のユーザーと共有して利用するため、申し込みから概ね2~3週間程度で開通が可能です。

これに対して、専有型回線の場合は1社に1本、物理的に回線を敷設する必要があります。そのため、希望する利用開始日に間に合わせるためには、遅くても2か月前までには発注できるよう、3か月程度前には事業者への相談を始めるのが良いでしょう。

提供エリア内か

自社の用途に合う最適な光回線サービスを見つけたと思っても、利用を希望する場所がサービスの提供エリア外だった場合は、当然ながら利用することができません。共有型回線の場合は、日本国内であればほとんどの地域が提供エリア内であることが多いですが、専有型回線の場合は注意が必要です。

同じ事業者の中でもサービスの種類によって提供エリアが異なるケースもあるので、まずは、利用を希望する場所が提供エリア内かどうか、事業者に確認するようにしましょう。

設備は枯渇していないか

サービスとしては提供エリア内であったとしても、キャリア側の通信機器、地中の光ファイバー、設置場所のビル設備等、必要な設備の枯渇により提供不可となる場合があります。現地調査をしなければ分からない部分もありますが、地域単位での設備枯渇は事業者側で把握しているケースが多いため、あらかじめ確認しておくようにしましょう。

まとめ

法人で利用するインターネット回線には、法人向けで通信速度が安定している、プロバイダ・回線一体型の1社専有型回線をおすすめします。
適切な回線を選定することで従業員が快適に業務でき、生産性の向上につながりますが、企業によっては必ずしも専有型回線が最適というわけではありません。小規模なオフィスや個人事務所であれば共有型の回線で十分ですし、料金も抑えることができます。

しかし、多くの従業員を抱えていたり、SaaSやクラウドサービスを利用していたり、自社でオンラインサービスを提供している企業は、通信速度や安定性などのメリットが多い、プロバイダ・回線一体型の1社専有型回線サービスの導入を検討してみてください。
 

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